【12月17日 AFP】ニュージーランド・オークランド(Auckland)で、床を共にする裸と見られる聖母マリア(Virgin Mary)とヨセフ(Joseph)を描いた進歩的な教会のポスターが物議を醸している。

 問題のポスターは、英国聖公会のSt Matthew-in-the-City教会が16日に掲げたもの。悲しげな表情のヨセフの隣でマリアは天を見上げている。その上には「かわいそうなヨセフ。神には太刀打ちできないのだ」との言葉が書かれている。

 同教会のグリン・カーディ(Glynn Cardy)牧師は、ポスターはイエス・キリスト(Jesus Christ)の誕生についての固定観念に挑戦する目的で掲げたという。聖書によれば、マリアは天使のお告げを受け、神の子イエスを身ごもったとされる。だが、カーディ牧師は、聖書の言葉を文字通りうのみにするような考えを見直してほしいのだという。

 一方、保守的なキリスト教信者からはポスターに抗議の声が上がっている。カトリック教会のオークランド教区の広報担当リンゼー・フリアー(Lyndsay Freer)氏は、ポスターはカトリック教会を冒とくするものだと主張。地元紙ニュージーランド・ヘラルド(New Zealand Herald)に、「2000年の伝統を持つカトリックでは、マリアは生涯、処女であり、イエスは神の子です。ヨセフの子どもではないのです。従って、このようなポスターは不適切で冒とく的なもの」と語っている。(c)AFP