【6月22日 AFP】インド北部のヒマラヤ山中のアマルナート(Amarnath)洞窟(どうくつ)を目指す巡礼が15日に始まり、これまでに約5万人が同地を訪れた。巡礼は毎年2か月にわたって行われる。

 この洞窟に自然にできる巨大な氷筍が、ヒンズー教のシバ(Shiva)神の象徴として信者の崇敬を集めている。

 今年最初の巡礼者たちは標高3880メートルのバルタール・ベースキャンプ(Baltal Base Camp)からの16キロの険しい道を2日がかりでアマルナートを目指した。この付近にはまだ残雪があるため、巡礼開始後により安全な50キロのルートも開設されたが、こちらは到着まで3日かかる。

 洞窟はイスラム教徒が多数を占めるジャム・カシミール(Jammu and Kashmir)州にあり、08年には周囲の土地を、巡礼を管理する信託財団に与えるという地元政府の計画にイスラム教徒が反発、激しい抗議行動に発展した。地元政府はこの計画を撤回し、土地を毎年3か月間だけアマルナート寺院委員会(Shri Amarnathji Shrine BoardSASB)に利用させるとしたことで抗議行動は終息した。今年は数千人の兵士が警戒にあたっている。(c)AFP