【10月30日 AFP】マレーシアのイスラム教徒に、近くヒンズー教の要素を多分に含んだヨガの禁止令が出されるかもしれない。同国のイスラム教高位聖職者が29日明らかにした。

 イスラム教の教義を決める最高会議に当たる全国ファトワ評議会(National Fatwa Council)が近日中に、イスラム教徒がヨガを実践する可否についてのファトワ(宗教令)を出す予定だという。

 賛否両論を呼ぶイスラム法解釈で知られる北部ペラ(Perak)州のハルサニ・ザカリア(Harussani Zakaria)師はAFPの取材に対し、「ヨガが単なる体操として実践されるのならば問題はないが、異教的な要素が含まれている場合は断じて許されるべきではない。イスラム教徒は、別の宗教の要素が濃い、元来のヨガは行ってはならない」との見解を示した。

 マレーシアは人口の60%以上がイスラム教徒だ。インドを起源とした数千年の歴史を持つヨガは、最近では欧米のセレブの間でも流行しているが、マレーシアの首都クアラルンプール(Kuala Lumpur)でも、ストレス解消法として人気を博すようになっている。 

 別の報道によると、マレーシア国立大学(National University of Malaysia)イスラム教学部のザカリア・スタパ(Zakaria Stapa)教授は、ヨガはポーズをとるときにマントラを唱えることなどから「ヒンズー教の伝統と様式に基づいたものであり、イスラム教の信仰に背く」として、イスラム教徒に対し、ヨガを実践しないよう呼びかけている。

 同評議会は24日、女性による男性風の衣服や男性のような振る舞い、他の女性との性行為の禁止も発令した。(c)AFP