【9月1日 AFP】ナイジェリア中部Nupelandで、86人の妻をもつMohammadu Bello Masabaさん(84)が、妻は4人までとするイスラム教の聖典コーラン(Koran)の教えに背いているとして同地からの追放を宣告され、しぶしぶ82人の妻との離婚を承諾した。ナイジェリア通信(NAN)が8月31日、報じた。

 Masabaさんをめぐっては、ナイジェリア国内で最も権威のあるイスラム教団体の1つ、「Jamatu Nasril IslamJNI)」が8月21日、イスラム教の教えに違反しているとしてMasabaさんの死刑を宣告していた。しかし数日後には判決がひるがえされ、同団体は、82人の妻と離婚しない場合は、2日以内に現在の居住地を出て行くように求めていた。

 NANによると、Masabaさんは8月30日、「わたしは、いかなる法にも違反していないし、ここから追放されるいわれもない。5人以上と結婚してはいけないとする法律なんてない」と語るとともに、「わたしの妻たちは子どももいるし、30年も連れ添った妻もいるんだ。2日以内に別れろなんて考えられない」と強調し、イスラム団体からの要求を拒否する姿勢を示していた。

 だが、同日夜の地元イスラム学者らとの会談の席上、一転して82人との離婚の手続きを開始し、その妻たちをNupelandから転居させることに同意したという。(c)AFP