【6月9日 AFP】バチカンで8日、修道院から追放されたと主張する修道女2人が体に鎖を巻いて、ローマ法王ベネディクト16世(Benedict XVI)の注意を引こうとした。イタリアのANSA通信が伝えた。

 ANSA通信によると、2人はカルメル会(Carmelite)の修道衣を着ており、イタリア中部にある女子修道院に所属していたが、2005年に健康上の理由から一時院を出たあと、戻ることを許されていないと主張している。

「50-60年間もの修道生活で教会に尽くした挙げ句に、ごみ袋のように通りに放り出された」と嘆くのは、アルビナ・ロカントーレ(Albina Locantore)修道女(73)。もう1人のテレサ・イッツィ(Teresa Izzi)修道女(79)とともに体に鎖を巻いて抗議した。

 ANSA通信は複数の地元メディアの報道として、問題の修道女2人は、教会当局が行った査察で修道院内に男の存在が明らかになったことから、退去させられたと伝えた。2007年の報道によると、男は2人を介して、修道院に現金を強要していたという。2人は「まったくのでたらめ」だと否定している。

 この異例といえる抗議行動は、法王が日曜正午に恒例のアンジェラスの祈りを行う、サンピエトロ広場(Saint Peter's Square)を見下ろす法王の居室の近くで起きた。法王庁からのコメントは、これまでのところ出されていない。(c)AFP