【2月26日 AFP】かつて「新世界」米国に移住して同国を建設したプロテスタントは、今や米国内で少数派になりつつある。移民の増加や改宗、または信仰そのものを捨てる人が多くなったことが要因だとする調査結果が、25日発表された。

 宗教と国民生活に関するピュー・フォーラム(Pew Forum on Religion and Public Life)が成人3万5000人に行った「宗教展望調査」によると、プロテスタント派の信徒だと答えた人は全体の51%で、1960年代の調査時から約3分の2に減少しているという。また、どの宗教にも属さない人が著しく増えているという。

■中南米系移民の増加が主要因

 同団体の上級研究員であるジョン・グリーン(John Greene)氏は、プロテスタント主義の後退による米国の宗教市場の縮小が、米国の文化や政治にも影響を及ぼすことになると予測する。米国の市民生活における価値観や制度の多くが、プロテスタント主義に立脚したものだというのが、その理由だ。

 同団体の理事長であるルイス・ルゴ(Luis Lugo)氏は、プロテスタントの減少の要因は米国における「移民の増加」にあるとみており、「プロテスタントが減っているのではなく、白人人口が減ってラティーノ(中南米系)が増え続けているからだ」と説明する。

 同団体が2週間前に出した報告書によると、中南米系人口は2050年までに3倍に膨れ上がり、白人は少数派になっていくという。「白人ネイティブの間ではプロテスタントがカトリックに2対1と上回っているが、移民では1対2で下回っている。移民の70%以上はカトリック教徒のため、米国内の宗教地図はカトリック寄りに変わりつつある」とルゴ氏は述べている。

■「無宗教」者も増大

 一方、「改宗した、または無宗教」と回答した人は25%以上にものぼる。無宗教は、無神論者のほか「宗教は自分にとって重要だが教義には従っていない」と回答した人も含まれ、回答者の16.1%となった。無宗教の人は、プロテスタント(51%)、カトリック(25%)などに次ぐ第4位を占め、その数は増加傾向にあるという。(c)AFP/Karin Zeitvogel