【11月20日 AFP】チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ(Dalai Lama)14世は、中国政府の介入を懸念し、伝統に反して自分が死ぬ前に後継者を選び出すことを検討していることを明らかにした。

 20日の産経新聞(Sankei Shimbun)でダライ・ラマは「チベットの人々がダライ・ラマ制度の存続を望んでいるならば、1つの可能性としてわたしが側近たちと考えているのは、次のダライ・ラマをわたしが生きているうちに選ぶことだ」と語った。

 チベット仏教高僧から「民主的」に選挙を行う、14世自身が指名するなどの方法を検討しているという。

「わたしの死後に中国政府がわたしの後継者を選んだ場合、チベットの人々はその後継者を支持しないだろう。チベットの心がないからだ」

「わたしはすでに政治的には半分引退したようなものだし、亡命政府の最高顧問の地位にある。政治的問題の決定はわたしの手を離れている」と語った。また中国政府が分離主義と批判していることについて、自分は中国統治下でチベットの自治権の拡大を求めているだけだと否定した。(c)AFP