【9月21日 AFP】ローマ法王ベネディクト16世（Benedict XVI）は21日、中国政府公認のカトリック教会のジョゼフ李山（Joseph Li Shan）司教（42）を北京教区司教として正式に承認した。日刊紙オッセルバトーレ・ロマーノ（Osservatore Romano）が伝えた。

　法王庁はかねてから李司教の聖職叙任に対し祝福の意を表明しており、タルチジオ・ベルトーネ（Tarcisio Bertone）枢機卿が李司教について「資質に恵まれた非常に優秀な人物」と称えていた。ただ、同日行われた聖職叙任式の中では、正式な承認は行われなかった。　

　李司教は、4月に死去した傅鉄山（Fu Tieshan）北京司教の後任として、7月に中国カトリック会から任命されていた。北京教区は、国内キリスト教会の総本山。

　法王庁による李司教の正式承認は、無神論を国是とする中国の共産党政権と法王庁の間で、宗教観をめぐる歩み寄りが加速している現れだとみられる。

　バチカンによる李司教の正式承認の報は、22日付けオッセルバトーレ・ロマーノ紙に掲載される予定。(c)AFP