【8月4日 AFP】中国政府は、輪廻転生を続けるとされるチベットの高僧(活仏)が転生する際、政府の許可なしの転生は認めないことを決定した。国営新華社通信(Xinhua)が3日、報じた。

 新条例は9月1日より発効され、以降すべての転生は宗務課への申請および許可が必要となる。新華社通信によれば、条例は「活仏の転生の管理を制度化するうえで重要な措置」だという。

 中国共産党は、信仰の自由を表向きは認めているが、実際はチベット仏教を含むすべての宗教を厳しく規制する。

 チベット仏教では、高僧は何度も輪廻転生を繰り返すと信じられているため、活仏の存在は非常に重要視されている。

 転生者は通常、数人の候補者の中から高僧らによって選定される。1995年にダライ・ラマ(Dalai Lama)にパンチェン・ラマ(Panchen Lama、ダライ・ラマに次ぐ地位)として指名された6才の少年は、中国政府によって身柄を拘束されたままとなっており、代わりに中国政府が別の少年をパンチェン・ラマとして認定した。同国政府は、チベット仏教の権力者を自ら選定することで同地域を事実上の管理下に置きたい考えだと見られている。(c)AFP