【7月24日 AFP】牛結核に感染したヒンズー教聖牛の処分をめぐる裁判で、英国の控訴院は23日、下級高等法院の判決を覆し、殺処分を支持する判断を下した。

 英国西部のウェールズでヒンズー教の聖牛Shamboが牛結核に感染したことを理由に、ウェールズ議会が処分の決定を下したことに対し、ヒンズー教徒の全国団体、英国ヒンズーフォーラム(Hindu Forum of BritainHFB)は決定の取り消しを求め、カーディフ(Cardiff)高等法院に提訴していた。

 高等法院は今月16日、いったん議会の決定を破棄し、「処分の必要なし」との判断を下したが、今度はウェールズ議会側が控訴。23日、ロンドン控訴院は議会の決定を支持して処分を命じた。

 HFBは、英国の最高裁にあたる英国議会上院に最終的判断を仰ぐため、7日間の処分執行猶予を要請したが、控訴院は「事態の緊急性と公衆衛生上の必要」を理由にこれも棄却。「Shambo」の殺処分は決定的となった。

 英国ヒンズー教徒は、「聖牛の処分は宗教的権利の侵害」と強く反発したが、控訴院判事は「処分の決定は正当である」として退けた。(c)AFP