父娘の「貞操宣誓式」、保守的キリスト教家庭で流行 - 米国
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【ワシントンD.C./米国 23日 AFP】いわゆる結婚式に必要な「道具立て」はすべてそろっている。タキシードに身を包んだ誇らしげな父親、 たっぷりと砂糖をまぶしたケーキ、豪勢なリムジンカー、あいさつを交わす人々。
だが会場に花婿はいない。そして長いドレスに身を包んだ少女は花嫁ではない。これは娘が父親に結婚まで純潔を誓うという「貞操宣誓式」なのだ。
この儀式は、俗に「Purity Ball」と呼ばれるもの。米国の保守的なキリスト教の家庭の間では流行になりつつあるという。
父娘の絆の賛美を目的とする儀式のクライマックスは、2人の宣誓だ。互いにおじぎをした後、父親が「清らかな生活を送り、娘の貞操を守る」との決意を高らかに歌い上げると、娘は「結婚までセックスはしません」と誓いの言葉を述べる。
父親は儀式の中で娘に宝飾品を与える。「純潔の指輪」あるいは「貞操ブレスレッド」などと呼ばれるもので、娘は将来、これを結婚の初夜に夫に委ねることになる。
いわゆる「純潔維持運動」の主導者で、Abstinence Clearinghouseの創設者であるLeslee Unruh氏はAFPの取材に応じ、Purity Ballについて次のように語った。
「この儀式の中で、父親は自身の精神も清らかに保つことを誓い、妻への忠節を守ります。ポルノの類いには手を出さないといったことも述べます」
■Purity Ballは1400回近く開催された
Unruh氏によると、2006年にPurity Ballは、南部と中西部を中心に全国で1400回近く開催された。2007年にはこの数が2倍になることが予測されるという。
西部のコロラド州在住の大学講師Mike Parcha氏(43)も、つい最近、娘のLoraちゃんとともに、この儀式に参加した。同氏はPurity Ballによって「家族の信仰を強めることができた」と述べている。
Parcha氏にはLoraちゃん以外に3人の娘がいる。11歳と18歳の娘はすでに儀式を済ませているが、4歳の娘は儀式に参加するまであと数年待たなければならない。結婚まで処女を守ると誓うことについては、全員が何のためらいも感じていないという。
Purity Ballが最初に米国で開かれたのは1998年で、コロラド州コロラドスプリングズ(Colorado Springs)に拠点を置くキリスト教の一派、Generations of Lightが主催した。
写真はコロラド州コロラドスプリングズにあるホテルで、18歳の娘とダンスするParcha氏。(2006年11月10日撮影)。(c)AFP