【9月25日 AFP】スペイン国王フアン・カルロス1世(King Juan Carlos、75)が股関節の手術のため24日、首都マドリード(Madrid)郊外で入院した直後、この病院前に何かを叫びながら裸の男が現れ、取材中の報道陣の列に割って入った。男は米中央情報局(CIA)に対する非難と思われる抗議の言葉を叫んでいたが、すぐに警察に身柄を拘束され、連行された。

 国王が入院したキロン大学病院(Quiron University Hospital)にはちょうどこの時、ソフィア王妃(Queen Sofia)が到着したところだったが、裸の男を目にしたかどうかは不明。

 男の様子は国営テレビでも放送された。国王が手術を受けるのはここ3年間で8度目だが、こうした事態が起きたのは初めて。

 王室は同日、左足の人工股関節を置換する手術は成功したと発表した。国王は昨年11月に埋め込んだ人工股関節が炎症などを起こし歩行に支障をきたしていたため、スペイン国内では健康上の理由による退位の可能性もささやかれているが、王室はこれを否定している。

 しかし手術後の医師団の発表によれば、今回の手術は一時的な処置で、長期的な回復のためには再度、手術が必要になるという。これにより、フェリペ皇太子(Prince Felipe、45)の王位継承が近いとの憶測は再燃しそうだ。

 今回の手術の回復には2~6か月かかるという。このため国王は、パナマで来月18、19の両日に開催が予定されているイベロアメリカ首脳会議(Iberoamerican Summit)にも出席しない見通しだ。(c)AFP/Ingrid BAZINET