【9月4日 AFP】ドイツ北西部ニーダーザクセン(Lower Saxony)州の町ディープホルツ(Diepholz)で、祖父母の家に遊びに来ていた10歳の少年が約1か月前に屋根裏で人間のミイラを発見し、同国の警察・検察・検視当局は、このミイラをめぐる数々の謎を解明すべく調査を行っている。

 地元紙クライスツァイトゥング(Kreiszeitung)によると、身長149センチのミイラをCTスキャンした結果、頭蓋骨や他の大部分の部位の保存状態は良く、左目のくぼみから矢が突き出していることが分かった。ミイラの性別は分かっていない。

 さらに、ひつぎの中からは死者の顔から型取りした仮面も見つかったほか、X線画像の分析でミイラの骨は金属の層で覆われていることが分かり、謎はますます深まっている。

 ミイラを見つけた少年の父で歯科医のルッツウォルフガング・ケットラー(Lutz-Wolfgang Kettler)さんは、12年前に死去した自分の父親が1950年代に北アフリカを旅行した際に土産として持ち帰ったものかもしれないと話している。

 CTスキャンに立ち会ったケットラーさんによると、ミイラに巻かれた包帯には20世紀に機械で織られた布が使われていた。ミュンヘン(Munich)市内の病院に勤める病理医はニュースサイト「シュピーゲル・オンライン(Spiegel Online)」に対し、頭蓋骨や他の部位は本物だが、ミイラは「偽物で、幾つかの人体をつなぎ合わせて作られたもの」との見解を示した。

 警察と検察は、この遺体がどのような経緯で屋根裏にたどり着いたのかを解明するための情報を求めている。独DPA通信が伝えた警察の話によると、もし遺体が数百年前のものであれば、事件としての捜査はしないという。(c)AFP