【8月15日 AFP】ニュージーランド南島クライストチャーチ(Christchurch)で15日、2011年の大地震で崩壊した大聖堂跡に日本人建築家、坂茂(Shigeru Ban)氏が設計した紙の聖堂が正式にオープンした。

 ニュージーランド第2の都市クライストチャーチを2011年に襲ったマグニチュード(M)6.3の大地震では185人が死亡。中心部では多くの建物が崩壊し、市の象徴だったネオ・ゴシック建築の大聖堂も大きな損傷を負った。

 リンダ・パターソン(Lynda Patterson)司祭代理はAFPの取材に、革新的な紙の聖堂の完成は大地震からの復興の大きな節目となるものだと話した。「以前の大聖堂は様々な意味で市を象徴するものだった。新しい聖堂はクライストチャーチの再編と再建のシンボルとなるだろう」

 防水および難燃加工が施された直径600ミリの紙管が使われている新しい聖堂は、横からみると「A」の字のような形で、700人を収容できる。変わった素材を用いているが耐久年数はおよそ50年で、聖公会(Anglican Church)は新たな聖堂が建設されるまで、少なくとも10年間はこの聖堂を使用する計画だ。(c)AFP