【8月7日 AFP】ニュージーランドの乳業大手フォンテラ(Fonterra)の乳製品からボツリヌス中毒を引き起こす細菌が見つかった問題で、同国政府は6日、同社の対応に問題がなかったどうかを調べるため、当局者を現場に派遣したと発表した。政府は、世界的なリコールを起こし、同国の「クリーンでグリーン」なイメージに傷を付けた今回の危機的状況に対する同社の対応を非難している。

 スティーブン・ジョイス(Steven Joyce)経済開発相兼科学革新相兼高等教育・技能・雇用相は、粉ミルクの原料となる製品から見つかった、死に至る恐れのある細菌について、フォンテラ社が正確な情報を提供したかどうかを確認するため、同社がニュージーランドとオーストラリアに所有する施設に政府当局者を送ったと説明した。

 ジョイス経済開発相は、政府が現場に出て、民間企業の問題に直接関わるのは異例との認識を示した上で、世界中の消費者がニュージーランドの乳製品業界への信頼を必要としていると強調。また、フォンテラ社が当初提供した細菌に関するデータは正確なものではなかったことが分かっており、これが、中国やサウジアラビアなどでリコールを起こした一連の出来事において混乱を招いたと指摘した。

 ジョイス経済開発相は、「実に苛立たしい。これが私にできる最も寛大な表現だ」、「(フォンテラが提供した)情報はすぐにでも利用できる内容だと考えるところだった」とラジオ・ニュージーランド(Radio New Zealand)に語った。細菌に汚染された製品の約90%は特定できており、残りの特定は7日午後までに第一次産業省が完了する見通しだという。(c)AFP/Neil SANDS