【8月5日 AFP】ニュージーランドの乳業大手フォンテラ(Fonterra)のセオ・スピアリングス(Theo Spierings)最高経営責任者(CEO)は5日、同社の乳清(ホエー)製品からボツリヌス中毒を引き起こす細菌が見つかり、中国で製品のリコールが起きた問題をめぐり謝罪した。一方、同社が情報公開を遅らせたとする政府の非難に対しては、そのような事実はないと否定した。

 スピアリングスCEOは北京(Beijing)で行った記者会見で「影響を受けた人々に深く謝罪する」と語った。「親たちの不安は十分に理解している。親には食品が安全かどうかを知る権利がある」とスピアリングス氏は述べ、「(フォンテラは)予防措置としてニュージーランドから輸出される製品は全て検査する」と付け加えた。

 これに先だって、ニュージーランドのジョン・キー(John Key)首相は、フォンテラ社の製品汚染の報告が「驚くほど」遅れたことを非難していた。一連の製品が製造された2012年5月の検査では「何らかの」結果が示されていたにもかかわらず、「会社が問題視せずに輸出したこと」について「私はがく然としている」と、キー首相はラジオ・ニュージーランド(Radio New Zealand)に語っていた。

 これに対してスピアリングスCEOは、問題の兆候が初めて浮上したのは今年3月の試験だったと主張。細菌の種類を特定するための追試も必要だったことを挙げ、「それには時間がかかった。7月31日に確認された。私の知る限り、7月31日には情報を発信し、24時間後には正式な手順をとって顧客とニュージーランド当局に情報を伝えた」と説明した。(c)AFP