【7月16日 AFP】インド最高裁は16日、ムンバイ(Mumbai)市内にあるダンスバーの営業を禁じた州政府の決定を退け、営業再開を認める判決を言い渡した。

 インド最高裁は、マハラシュトラ(Maharashtra)州が2005年にダンスバーの営業を禁止したことが、憲法の保障する生計を立てる権利を侵害しているとした2006年のボンベイ高裁の判決を支持した。

 マハラシュトラ州内には700店以上のダンスバーがあり、7万5000人以上の女性たちが働いている。女性たちはボリウッドスタイルのダンスを踊る見返りに、来店客からチップをもらう。裕福なビジネスマンが通うムンバイ市内の高級ダンスバーでは、1日100ドル(約1万円)以上稼ぐことができたという。

 マハラシュトラ州政府は、ムンバイ市内のダンスバーが犯罪の温床で売春の現場になっていると主張していたが、バー経営者や活動家、非政府組織(NGO)などは州政府による禁止に抗議し、これらの嫌疑に真っ向から反論した。また、ダンサーらの労働組合も、強制的な営業の停止により大勢のダンサーが生計を立てるために売春を強いられることになるとして、禁止措置に反対していた。

 マハラシュトラ州政府はダンスバー撲滅キャンペーンを長期にわたって展開していたが、今回の判決についてのコメントはまだ得られていない。(c)AFP