【7月3日 AFP】南アフリカの裁判所は2日、首都プレトリア(Pretoria)の病院に入院中のネルソン・マンデラ(Nelson Mandela)元大統領のすでに他界している子ども3人の遺体を、マンデラ氏の先祖の村クヌ(Qunu)に戻すよう命じた。この判断は、マンデラ氏が逝去した際にどこに埋葬するかをめぐって発生している親族間の対立を受けて示された。

 同国南部のウムタタ(Mthatha)市の判事は、同元大統領の最年長の孫、マンドラ・マンデラ(Mandla Mandela)氏に対し、3遺体を3日午後3時(日本時間同日午後10時)までにクヌに戻すよう命じた。

 マンドラ氏は2011年に、この3人の墓を親族の同意を得ないままクヌから約30キロメートル離れたムベゾ(Mvezo)に移したとされる。かつて同氏は、マンデラ氏の埋葬先について、同氏生誕の地であり自らがマンデラ家の長として居を構えるこのムベゾを選ぶべきとする考えを示していた。

 マンデラ氏本人はこれまでに、死亡した後はクヌで埋葬してほしいとの希望を明らかにしている。これを受けて同氏の2人の娘と数人の孫を含むマンデラ氏の親族16人が、同氏の子ども3人の遺体についてもクヌに戻すべきと主張、裁判所に判断を仰いでいた。

 この判断を受けてマンドラ氏の弁護士は、必要書類を受け取っていないとして同裁判所に対しこの命令の撤回を求めた。これにより、今後命令内容が変更される可能性もある。(c)AFP