【6月12日 AFP】世界で最も一般的に処方されている2種類の経口避妊薬を摂取したカナダ人女性の少なくとも23人が死亡し、数百人が被害を受けた可能性があると、カナダの公営放送局、カナダ放送協会(Canadian Broadcasting CorporationCBC)が11日、報じた。

 ドイツ製薬大手バイエル(Bayer)が開発した経口避妊薬「ヤーズ(Yaz)」と「ヤスミン(Yasmin)」が、23人の死亡の原因となった疑いがあるとして、医師と薬剤師が薬の副作用をカナダ保健省(Health Canada)に報告したと、CBCが同省から入手した文書を引用して伝えた。

 報道によると、カナダでヤーズとヤスミンを処方された女性約600人に、健康に有害な反応が見られたという。保健省の資料によると、14歳の少女を含む23人が死亡し、死因の大半が血栓症によるものだったという。

 バイエルは、カナダや米国など世界各地で、ドロスピレノンと呼ばれる合成ホルモンを含む新世代の避妊薬による被害を受けたと主張する女性から訴えられている。CBCによると、バイエルはすでに米国で10億ドル(約961億円)以上の和解金を支払っている。

 これまでのところ、保健省のコメントは得られていない。(c)AFP