【6月7日 AFP】(一部更新)中国で7日、全国統一大学入学試験「高考(Gaokao)」が始まり、約912万人の受験生が各地で2日間にわたる試験に臨んだ。一方、大学側は受験生の不正対策に必死で、金属製の留め具の付いたブラジャーの着用を禁じる会場まで現れている。

 国営環球時報(Global Times)によると、東北部吉林(Jilin)省の受験生たちには、試験会場でホックやストラップ金具が金属製のブラジャーを着用しないよう禁止令が出された。「ワイヤレス機器を利用したカンニング」の防止阻止として、教育当局が各試験会場に金属探知機を設置したためだ。

 中国では、小型化が進んで隠し持ちやすくなったスマートフォン(多機能携帯電話)などの機器を用いた試験中の不正行為が増加している。当局は、カンニング用のハイテク機器の販売や高考に関連した詐欺行為を厳しく取り締まる方針だと環球時報は伝えている。

 ただ、中国版マイクロブログ「新浪微博(Sina Weibo)」には、「みんなブラジャーばかりに気をとられてるけど、眼鏡はどうなの?」などと当局の対応を冷笑するコメントが投稿されている。  

 一方、中国各地では受験生が試験に遅刻しないよう、行き過ぎとも取れるさまざまな配慮がなされている。インターネット上には内モンゴル自治区で、水陸両用消防車が受験生を乗せ、水をかきわけて試験会場に突進する写真が投稿された。

 南部・広州(Guangzhou)の地元メディアによれば、市内の道路には受験生を乗せた車両専用のレーンが設けられた。上海(Shanghai)では受験生の送迎タクシーの予約が1週間前から殺到したという。

 環球時報は、合格祈願に来た受験生の親たちで中国各地の寺院はあふれ、試験会場の外では親たちがわが子に差し入れる飲食物を手に待機していると報じている。人民日報(People's Daily)も、上海では子どものため、5000元(約7万9000円)もの大金を払って受験会場に近い5つ星ホテルに部屋を取る親たちもいると伝えている。(c)AFP