米国の結婚、3分の1はオンラインでの出会いから
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【6月4日 AFP】米国では結婚したカップルの3分の1以上がオンラインで出会っており、こうした人々はそれ以外の方法で知り合って結婚したカップルに比べて幸せの度合いがわずかに上回っている可能性がある。このような研究結果が3日、発表された。
米科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of Sciences、PNAS)に掲載された米研究チームの論文によると、オンラインでの出会いに関連した産業は今や10億ドル規模にまで発展しており、インターネットは結婚がもたらす原動力や結果そのものを変えようとしているという。
研究は2005年から2012年の間に結婚した1万9131人を対象に行われた。
研究によると、オンラインで結婚相手と出会った人は、オフラインで配偶者を見つけた人に比べて、30歳から49歳の高所得者層である傾向が強い。オンライン以外では、22%が職場、19%が友人、9%がバーやナイトクラブ、4%が教会を通じての出会いだった。
■一番幸せなのは誰か?
調査期間中の離婚率をみると、オンラインで知り合ったカップルは5.96%、オフラインで知り合ったカップルは7.67%だった。
また、調査期間中に結婚が継続していたカップルの結婚生活に対する満足度を数値化すると、オンラインで知り合ったカップルが平均5.64、オフラインのカップルが平均5.48と、前者がやや高かった。満足度が最も低かったのは、家族、職場、バーやナイトクラブ、ブラインドデート(お見合いデート)を通じて知り合った人たちだった。
研究を率いた米シカゴ大学(University of Chicago)のJohn Cacioppo氏(心理学)は、「これらのデータは、結婚がもたらす原動力や結果そのものがインターネットによって変わる可能性があることを示唆している」と話す。
一方、オンラインでの出会いが直ちに幸福につながるという考えを、全ての専門家が信じているわけではない。
米ノースウエスタン大学(Northwestern University)のエリ・フィンケル(Eli Finkel)教授(社会心理学)は昨年、出版されたオンラインでの出会いに関する科学的考察について広範な見直しを行った。同教授はAFPに対し、PNASの研究結果で示された数値に同意すると語った。自身の調査でも、男女関係の35%がオンライン経由で始まっていることが示されているという。
一方で、「行き過ぎた点は、オンラインで知り合う方が、オフラインで知り合うよりいいと著者らが結論づけた点だ」と指摘した。
ニューヨーク市( New York City)に暮らす心理学者で作家のビビアン・ディラー(Vivian Diller)氏は、オンラインで知り合った男女の関係を長期的に見て結論付けるには、7年間の調査は短すぎると話す。
同氏はAFPに対し、「結婚の成功は、いかに違いに折り合いをつけるかによるところが大きく、相性だけではありません」と話し、オンラインでの出会いは利用者の期待を上げてくれる一方、非常に不幸な結末を生むこともあると付け足した。
「若い人は、オンラインでの出会いを、遊び場のような感覚で利用しているように思います。特に女性のプロフィールを閲覧するときの男性はそうですね。彼らはできるだけ多くの女性と知り合う機会として利用しており、女性はそれにうんざりしています」(c)AFP/Kerry Sheridan
米科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of Sciences、PNAS)に掲載された米研究チームの論文によると、オンラインでの出会いに関連した産業は今や10億ドル規模にまで発展しており、インターネットは結婚がもたらす原動力や結果そのものを変えようとしているという。
研究は2005年から2012年の間に結婚した1万9131人を対象に行われた。
研究によると、オンラインで結婚相手と出会った人は、オフラインで配偶者を見つけた人に比べて、30歳から49歳の高所得者層である傾向が強い。オンライン以外では、22%が職場、19%が友人、9%がバーやナイトクラブ、4%が教会を通じての出会いだった。
■一番幸せなのは誰か?
調査期間中の離婚率をみると、オンラインで知り合ったカップルは5.96%、オフラインで知り合ったカップルは7.67%だった。
また、調査期間中に結婚が継続していたカップルの結婚生活に対する満足度を数値化すると、オンラインで知り合ったカップルが平均5.64、オフラインのカップルが平均5.48と、前者がやや高かった。満足度が最も低かったのは、家族、職場、バーやナイトクラブ、ブラインドデート(お見合いデート)を通じて知り合った人たちだった。
研究を率いた米シカゴ大学(University of Chicago)のJohn Cacioppo氏(心理学)は、「これらのデータは、結婚がもたらす原動力や結果そのものがインターネットによって変わる可能性があることを示唆している」と話す。
一方、オンラインでの出会いが直ちに幸福につながるという考えを、全ての専門家が信じているわけではない。
米ノースウエスタン大学(Northwestern University)のエリ・フィンケル(Eli Finkel)教授(社会心理学)は昨年、出版されたオンラインでの出会いに関する科学的考察について広範な見直しを行った。同教授はAFPに対し、PNASの研究結果で示された数値に同意すると語った。自身の調査でも、男女関係の35%がオンライン経由で始まっていることが示されているという。
一方で、「行き過ぎた点は、オンラインで知り合う方が、オフラインで知り合うよりいいと著者らが結論づけた点だ」と指摘した。
ニューヨーク市( New York City)に暮らす心理学者で作家のビビアン・ディラー(Vivian Diller)氏は、オンラインで知り合った男女の関係を長期的に見て結論付けるには、7年間の調査は短すぎると話す。
同氏はAFPに対し、「結婚の成功は、いかに違いに折り合いをつけるかによるところが大きく、相性だけではありません」と話し、オンラインでの出会いは利用者の期待を上げてくれる一方、非常に不幸な結末を生むこともあると付け足した。
「若い人は、オンラインでの出会いを、遊び場のような感覚で利用しているように思います。特に女性のプロフィールを閲覧するときの男性はそうですね。彼らはできるだけ多くの女性と知り合う機会として利用しており、女性はそれにうんざりしています」(c)AFP/Kerry Sheridan