【6月2日 AFP】ロシアの首都モスクワ(Moscow)で1日、交通渋滞緩和のために導入された自転車シェアリングサービスが始まり、この日を待ちわびた自転車愛好家らが早速利用した。しかし、多くの人々は首都中心部の幅が広く混雑した道路を自転車で通行することに不安を抱いており、今後も通勤には地下鉄を利用するという声が多く聞かれた。 

 この事業計画は、パリ(Paris)やロンドン(London)、最近ではニューヨーク(New York)で導入された自転車シェアリングシステムと同様のものだ。初期段階では、首都中心部の大通り沿いに設置された約30か所の自転車置き場に、合計150台の自転車しか用意されていないが、当局によるとこのサービスを急ピッチで拡大する計画だという。

 自転車を利用するには、他の国と同様、オンラインでの登録とデポジット(保証金)の入金が必要となる。利用料は最初の30分間は無料、その後は1時間毎に30ルーブル(約94円)かかる。利用した自転車は、どの自転車置き場に返却してもよい。

 交通安全の懸念があるにもかかわらず、モスクワの自転車利用者はここ数年間で急増している。多くのショッピングモールが自転車置き場を設けているほか、公園や川岸はサイクリストでいっぱいになることもある。しかし、自転車専用レーンは主要道路でさえ設置されておらず、道路脇には路上駐車の車が並んでいるため、多くの人々は自転車通勤には二の足を踏んでいる。地下鉄に自転車を乗せることも禁止されている。

 モスクワ市当局は今年中に、他の国に比べると短いものの、総延長131キロメートルの自転車専用通路を設置すると発表しているほか、7月末までに自転車シェアリングサービスを市中心部の外部にも拡大し、自転車置き場を120か所に増やすと約束している。

 このサービスは10月末まで利用でき、冬季は休業となる。(c)AFP