【5月28日 AFP】フランス南部モンペリエ(Montpellier)で29日、同性婚が合法化されてから初となる同性カップルの結婚式が行われる。同性婚合法化をめぐっては数か月にわたって数万人規模の抗議デモが繰り返されていることから、結婚式に対する抗議行動が懸念されている。

 公式には世俗的な共和国であるフランスだが、人口の圧倒的多数がカトリック教徒で、同性カップルによる養子縁組と同性婚の合法化──社会党のフランソワ・オランド(Francois Hollande)大統領が選挙活動中に掲げた主要公約の1つ──は、国を深く二分した。

 26日にも、同性婚と同性カップルによる養子縁組を合法化する新法に抗議するデモがパリ(Paris)で行われ、少なくとも15万人が参加した。当初は平穏な様相を呈していたデモだったが、後に暴力的になり、参加者数百人が機動隊と衝突した。

■「万人の平等」掲げ挙式

 フランスで初めての合法的な同性結婚式を挙げるのは、バンサン・オータン(Vincent Autin)さん(40)と、ブリュノ・ボアロー(Bruno Boileau)さん(30)。同性愛者に好意的であることから「フランスのサンフランシスコ(San Francisco)」と同性愛者たちの間で称されるモンペリエで挙式する。2人は5年前に交際を始めた。

 モンペリエ市庁舎での結婚式には閣僚2人を含む600人が出席する。そのうち130人が正式に記者登録されている人たちで、ボアローさんは結婚式がマスコミに大騒ぎされることは十分理解しているという。

「緊迫した状況になるかもしれない」とボアローさん。「けれど、目指すもの──万人の平等、誰であっても市庁舎で結婚式を挙げられること──、その精神を守るためにがんばるつもり」

 フランスは同性婚を合法化する14番目の国。同性婚合法化をめぐっては、フランス以外の多くの国々でも意見が二分している。(c)AFP/Remy Zaka