【4月29日 AFP】中国政府は、当局者による汚職や不品行の撲滅対策の一環として、軍用車に与えられた特権の乱用めぐる取り締まりを、今週から開始する。

 非公認のドライバーに公道での優遇措置を与えるのを防止するための新しい登録制度の一環として、4月30日までに全ての軍用車のナンバープレートが新しいものと交換される。

 また国防省は、ジャガー(Jaguar)やメルセデスベンツ(Mercedes-Benz)、BMW、ポルシェ(Porsche)、ランドローバー(Land Rover)、アウディ(Audi)といった高級車やスポーツ用多目的車(SUV)での軍用ナンバープレートの使用も禁止する。

 中国では、軍用のナンバープレートを付けた高級車が赤信号を無視するなど、交通規則を軽視する光景がよく見られる。軍用車は、駐車料金や高速道路料金、ガソリン料金も免除されるという。そういった背景から、軍用ナンバープレートの貸与や偽造もまん延しており、貧富の格差拡大と汚職高官の不品行が人々の怒りの種となっている中国において、軍用ナンバープレートは「特権の象徴」とみなされてきた。

 国営の新華社(Xinhua)通信は28日夜の紙面で「新政策はナンバープレートの交換だけにとどまらない」としながら、「権力の乱用と職務放棄を減らし、軍に対する公衆の信頼を高め、社会の調和を維持することを意図している」、「軍は、国の防衛能力を高めるまえに、汚職対策に取り組まねばならない」と言及した。

 裕福なビジネスマンへの軍用車プレートの非公認貸与を防止することは当局にはできないと断言する専門家らの意見について、新華社通信は、一般の公衆が新型ナンバープレートを精査し、インターネットを通じて「誤用を暴露する」ことができると反論。(現に)軍用ナンバープレートを付けたリムジンの画像がインターネットに投稿されたことを伝えている。

 国防省によると、当局はハイテク監視設備を使って偽造プレートを突き止めることができるとしている。(c)AFP