【3月26日 AFP】サウジアラビアで、スカイプ(Skype)やバイバー(Viber)、WhatsAppなどのインターネットメッセンジャーアプリが、当局の検閲を受け入れない限り利用できなくなる恐れが出ている。サウジアラビアの複数のIT業界筋や当局者らが25日、語った。

 匿名を条件に取材に応じたサウジアラビアの通信情報技術委員会(Communications and Information Technology Commission)の高官によると、当局は地元情報通信事業者を通じて、メッセンジャーアプリ運営事業者に管理手段の提供を要求した。また通信事業者STCSaudi Telecommunications Co.)の関係者によると、通信情報技術委員会はサービス事業者に対して30日までの1週間以内に対応するよう求め、従わなければ「サービスの禁止措置をとる」と警告したという。

 一方、ある業界筋によると、今回の措置の背景には無料アプリの存在で「損害」を被ったとするSTCやMobilyZainなどの通信事業者があり、これら事業者が検閲を導入するよう委員会に要請したと説明している。隣国アラブ首長国連邦(UAE)では、スカイプ関連アプリの大半とViberのアクセスが遮断されている。WhatsAppメッセンジャーは現在も利用可能だ。

 UAEとサウジアラビアは2010年、スマートフォン(多機能携帯電話)のブラックベリー(BlackBerry)のメッセージングサービス禁止をほのめかしながら、同サービス検閲のためのローカルサーバーの設置を要求した。その後、ブラックベリーのメッセージングサービスがアクセス遮断されることはなかったが、ブラックベリー側が当局の要求にどこまで応じたかについては明らかにされていない。(c)AFP