【3月19日 AFP】中国の公式統計によると、同国が人口抑制策を初めて導入した1971年以降約40年間の中絶件数は3億3000万件近くに上るという。

 中国政府は17日に閉幕した全国人民代表大会(全人代)で、「一人っ子政策」を監督している家族計画制度について構造改革を行うことを発表した。

 中国保健省のホームページに今年掲載された統計によると、1971年に中国が国民に少子化を奨励し始める直前から2010年までの約40年間に行われた中絶は計3億2890万件。

 同政府によれば、1980年代前半に「一人っ子政策」を導入したことで、人口過剰を回避し、経済発展を促すことができたという。この政策は山村部や少数民族の家庭、または夫婦共に一人っ子の場合には免除されるが、都市部ではほぼ全面的に導入された。違反すると罰金が科せられる。

 しかし最近になって、労働力の減少と国民人口の高齢化を背景に「一人っ子政策」の廃止を求める声が高まっている。また人権保護団体らは無情で強制的な施策だと批判している。

 こうした流れの中、中国政府は10日、「一人っ子政策」を監督する国家人口・計画生育委員会(National Population and Family Planning Commission)を保健省に合併させることを発表した。ただし国営新華社(Xinhua)通信によると、馬凱(Ma Kai)国務委員兼国務院秘書長は声明で「この改革後もわが国は現行の家族計画策を継続し、推進していく」と述べた。

 同通信は、もしも一人っ子政策が導入されていなければ、中国人口は2010年の調査時点でさらに4億人多くなっていただろうと伝えている。(c)AFP