【1月30日 AFP】アジアの観光業界は、高齢旅行者の増加や女性の企業重役の増加など、今後20年の大きな変化に備えなければならないとの提言を、スペインの観光業界向けIT支援企業アマデウス(Amadeus)が発表した。

 アマデウスはオーストラリア、中国、インド、インドネシア、日本、シンガポール、韓国を対象に調査を実施。その結果、アジア人が団体ツアーで旅行する時代は去りつつあり、観光は複数のニッチ市場に細分化し始めているという。

「新たな旅行者区分が生まれる。たとえば海外出張する女性や、中小企業の旅行者、高齢の旅行者など。このそれぞれが、旅行体験に対して別々の願望と要件を持っている」

 最も急速な成長をしているのは、アジア人の高齢化を受けた65歳以上の旅行者層だ。またアジア各国では女性が企業内で徐々に重要な地位に就きつつあり、女性の重役が旅行をする機会が増えている。

 65歳以上の国外旅行者が最も増加するのは中国。2011年の170万人から、2030年には1260万人に増える見通し。同期間で、インドの65歳以上の国外旅行者は130万人から730万人に増加し、インドネシアは4倍に増える見込みだ。

「女性のビジネス旅行者も急増している」と報告書は指摘、2030年の女性の海外出張は、2011年の5倍に増えると予測した。ホテルに女性専用フロアを設置することや、女性の旅行の決め方などを理解することなどで、この機会を活用できるとアマデウスは提言している。(c)AFP