【1月22日 AFP】カナダで2012年11月に導入された新20ドル紙幣に描かれているカエデの葉(メープルリーフ)は、カナダ原産のものではないと複数の植物学者が指摘している。

 カナダ国旗にも描かれている赤いカエデの葉はカナダ原産の「サトウカエデ」の葉で、国旗をはじめ、国の象徴として様々な場所で見ることができる。ただ、学者らによると新紙幣に描かれているのは外来種の「ノルウェーカエデ」の葉だという。

 オタワ大学(University of Ottawa)のジュリアン・スター(Julian Starr)教授らによればノルウェーカエデの葉には切れ込みが4か所あり先端もとがっているが、カナダ原産のサトウカエデの葉には切れ込みが2か所しかなく葉先もとがっていない。スター教授は「国の象徴が誤ったまま使われていることに驚きを禁じえない」と加テレビCTVに語っている。

 ノルウェーカエデは1800年代に北米地域に持ち込まれたが、生命力が非常に強く在来種を淘汰しかねないとして米国2州ではノルウェーカエデの栽培が禁止されている。

 植物学者らの指摘に対しカナダ銀行(Bank of Canada)は、新20ドル紙幣に描かれたカエデの葉はカナダのメープルリーフを図案化して用いたもので、特定種のカエデを描いたものではないと反論している。(c)AFP