【1月21日 AFP】中国国営メディアは21日、法務当局高官の話として、「再教育」を施すための労働教養制度とその収容所を年内に廃止すると伝えた。

「再教育」を目的とするこの制度では、警察当局の判断で、最高4年間市民を拘束することができる。裁判手続きを踏まない半ば強引な手法には広く批判が集まっていた。この高官の発言に先立ち、中国共産党の新指導者、習近平(Xi Jinping)党総書記も同制度を問題と認識していると発言していた。だが今年初め、この「労働教養制度、労教(Laojiao)」が廃止されるとの報道が流れた際には、直後に「改革が実施される可能性がある」との報道に置き換えられたこともある。

 中国法学会(China Law Society)の陳冀平(Chen Jiping)副会長は国営英字紙チャイナ・デーリー(China Daily)に対し、3月に開かれる全国人民代表大会(全人代=国会、NPC)でこの制度を廃止するまでの期間、制度の使用を厳しく制限することについて会議で合意したことを明らかにした。

 労働教養制度について陳氏は、「中国共産党が国をまとめ、社会秩序を正す時代に貢献した制度だが、現在の中国には安定した法制度がある」と述べている。当局者によれば、労働施設には現在およそ6万人が収容されている。大半は6か月から1年ほどの収容だという。

 現在、労教制度の下で処分を受けた者は、農場や工場などで労働を強制されている。(c)AFP/Neil Connor