【12月18日 AFP】アカデミー賞(Academy Awards)受賞歴を持つ米映画監督オリバー・ストーン(Oliver Stone)氏は14日、フィリップ・ハモンド(Philip Hammond)英国防相に宛てた電子メールで、軍医の技術向上のためにブタを銃撃して行う治療訓練は「野蛮で恥ずべき行為」であるとして中止を強く訴えた。

 以前は「デンマークのベーコン作戦(Operation Danish Bacon)」とも呼ばれていたこの訓練は、豚を至近距離から高性能ライフルで撃ち、手術を行うもの。デンマークのイエーヤスプリース(Jaegerspris)にある北大西洋条約機構(NATO)の軍施設で現在も行われている。英国防省は先月、「この訓練によってこれまで多くの命が救われた」として、訓練継続の方針を示していた。

 ベトナム戦争の帰還兵でもあるストーン氏は電子メールの中で、「豚は、多くの人々が共に暮らす犬や猫と同じく、非常に知的な動物。豚を標的として使い切り刻むのは、野蛮で恥ずべき行為だ」と批判。生きた動物を使う代わりに、まるで本物のように呼吸し血を流す人形を使うべきだとの反対派の提案に、賛同の意を表した。

 この1週間前には、米国の人気テレビシリーズ「HOMELAND」の生みの親でイスラエル出身のギデオン・ラフ(Gideon Raff)氏も、ハモンド国防相に対し、「より人道的で効率的な」訓練に切り替えるよう呼び掛けている。(c)AFP