【12月13日 AFP】国際的アクションスター、ジャッキー・チェン(Jackie Chan)氏が中国誌のインタビューで、故郷・香港の抗議デモを規制すべきだと発言し、香港で強い反発が巻き起こっている。

 抗議する権利を含め、市民的自由の尊重を誇りとしている香港で、今回のチェン氏の発言は大きな批判を呼んでいる。

 香港の英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(South China Morning Post、南華早報)によると、チェン氏は11日発行の週刊誌「南方人物週刊(Southern People Weekly)」に掲載されたインタビューで「みんな中国の指導者たちに対して怒り、何だって抗議する。当局は、人々が抗議できる問題、そして抗議が許されない問題を定めるべきだ」と語った。

 これに対し香港の政治家や学者たちは、700万人の香港市民が尊重する自由の価値をチェン氏は分かっていないと反論している。

 1997年に中国に返還されるまで英国の植民地だった香港は、一定の自治権と独自の法体系を有し、抗議や言論の自由など中国本土ではみられない市民的自由が存在する。

 民主化推進派の何秀蘭(Cyd Ho)香港立法会(議会)議員は、チェン氏こそ言論の自由を根幹とする映画産業で成功したのではないかと怒りをあらわにし、「彼が名声と財を得ることができたのは香港が自由な街で、出世階段を上る機会を彼が手にできたからだ」と批判した。
 
 AFPでは13日、チェン氏の財団に電話取材を試みたが応答はなかった。

 チェン氏は09年に中国の政財界人の会合で、中国国民は「統制される必要」があり、多くの自由を認めすぎないよう国は慎重であるべきだと述べ非難を浴びた。この時は後に、文脈を無視してコメントが引用されたと説明している。(c)AFP