【11月10日 AFP】世界一の給仕は誰か――世界各国の高級レストランやホテルの給仕たちがテーブルサービスの技術を競う世界大会「クープ・ジョルジュ・バティスト(International Georges Baptiste Cup)」が9日まで都内で開催され、日本代表として出場した、ジョエル・ロブション(Joel Robuchon)の宮崎辰(Shin Miyazaki)さん(35)が優勝した。

 1961年にフランスで設立されたこの大会は、当時シェフとしても給仕(メートル)としても名高かった人物の名をとって「ジョルジュ・バティスト杯」と命名された。フランスの国内大会としてスタートしたが、30年後に欧州大会へと拡大。2000年から世界大会が開催されている。

 今年の大会には14か国から24人が参加。料理の提供する際の礼儀作法から料理に応じたワインの選択まで、給仕としてのあらゆる心得を9つのカテゴリー別に審査され、プロ部門と学生部門からそれぞれ1人ずつ最優秀者が選ばれる。

 スイス代表として参加したアムリトパル・ワライヒ(Amritpal Warraich)さん(20)によれば、良い給仕であるためには、目に見える以上のことができなければならない。「お客様からご要望を聞く前に、求められるであろうサービスを提供できる給仕が良い給仕です。給仕というのはお客様の手助けをするためだけでなく、お客様が心地良く過ごせるために存在するのですから」

 そんなワライヒさんは、たとえ外国語であっても客とコミュニケーションを取るのは得意だと胸を張る一方、ワインの知識にはあまり自信がないと語った。

 日本からは都内のシャトーレストラン、ジョエル・ロブションから宮崎さんが参加。宮崎さんによれば、日本ではソムリエやシェフの重要性は認められている一方、給仕のサービスはほとんど認識されていない。だが、良い給仕は客がくつろいで食事を楽しめるよう最大の努力を払っており、シェフの料理以上に果たす役割は大きいのだという。(c)AFP