【10月31日 AFP】グルジア南東部の都市ルスタビ(Rustavi)にある幼稚園が、早期教育を受ける幼児たちが喜んで園に来るようにと、ちょっと変わった手法を取り入れた。飛行機を改修して幼稚園の教室にしたのだ。

 この幼稚園のガリ・チャピゼ(Gari Chapidze)園長は、グルジア航空(Georgian Airways)から、老朽化はしているもののまだ機能は万全な旧ソ連時代の旅客機ヤコブレフ(Yakovlev)Yak-42型機を購入。内部を改装して、教材やゲーム機器、玩具を備え付けた。一方、操縦室は手をつけずにそのまま残し、園児たちが遊べるようにした。

 幼稚園の経営母体、グルジア・ウクライナ社会関係研究所(Institute of Georgian-Ukrainian Social Relations)の理事長でもあるチャピゼ園長はAFPの取材に「子どもたちが喜んでやって来る幼稚園を作りたかったんです」と語った。「幼稚園や新しい環境への適応が困難な子どもたちもいる。そんな子どもたちも楽しくなるようなやり方で支援しようと考えたんです」

 Yak-42型機の操縦室には1500個もの操縦ボタンがあり、15人の園児たちは本物のパイロットのように離陸ごっこをして遊んでいるという。

「子どもたちは幼稚園に来るのを楽しみにしていて、帰宅時間になっても泣いて帰りたがらないほどです。園児たちにとって、ここはそれほど楽しい場所なんです」(チャピゼ園長)

 この幼稚園は私立で、毎月の保育費は公立幼稚園のおよそ2倍の約90ドル(約7200円)になっている。(c)AFP