【9月23日 AFP】フランスの社会党政権は、医師の管理下で麻薬常用者に違法薬物を処方する試験的な施設を年内にも開設する意向であることを21日に明らかにした。

 仏テレビBFMに出演したマリソル・トゥーレーヌ保健相は「年末までにこの試験的な試みについて発表できることを願っている」と話した。開設に前向きな自治体は多数あるという。

 この施設では麻薬常用者に滅菌針を渡し、ヘロインなど違法薬物を打つ際に医師が監視・管理する。欧州では英国とドイツなどがすでに同様の施設を設置している。

 しかし政府案については、右派野党から即座に反論が出ている。リュック・シャテル(Luc Chatel)元教育相は「無責任だ」と発言し、「わが国の若者に誤ったメッセージを送ることになる。フランスとその若者を保護する立場にある保健相から、こうした案が出てくることに大きな不安を覚える」と述べた。

 一方、社会党のジャン・マリー・ルグエン(Jean-Marie Le Guen)議員は事業に賛成し、「この勇気ある決定によって、麻薬の常用者にとってのリスクを減らす効果的な方法をフランスはまた一つ手にする」と述べた。(c)AFP