【9月28日 AFP】家事を分担する夫婦は、妻が主に家事を担当する夫婦と比べて離婚率が高いというノルウェーの調査論文が発表された。

「Equality in the Home(家庭内での平等)」と題されたこの論文によれば、家事を平等に行う夫婦の離婚率は、妻が主に家事をする夫婦より約50%高かった。

 議論を呼ぶことは間違いないと思われるこの論文の共著者の1人、トーマス・ハンセン(Thomas Hansen)氏はAFPに対し、「夫が家事を多くすればするほど、離婚率は高くなる」と話した。

 だが調査チームは、家事の分担が離婚率上昇の原因となっている可能性は非常に低いとしている。これらの相関関係はむしろ、「現代的な結婚観」を反映したものだという。

 ハンセン氏によれば、「現代的な」夫婦は家事を分担する傾向が強いだけではなく、結婚をあまり神聖視しない傾向にある。また、「現代的な夫婦では、女性が高学歴で高給を得ていることが多いため、経済面で男性に依存する度合いが低い。よって(現代的でない夫婦と比べて)離婚しても女性が生計を立てるのはずっと容易だ」(ハンセン氏)

 ノルウェーでは昔から男女平等の意識が強く、ハンセン氏によれば育児を平等に行う夫婦は7割に上る。ハンセン氏自身も子供たちの子守をしていた公園からこの取材に応じた。

 だがそんなノルウェーでも、家事については妻がその大半を行う夫婦がいまだ7割に上る。しかし論文では同時に、こういった妻たちは現状におおむね満足しており、幸福度も「現代的な」結婚生活を送る女性と比べてほとんど変わらないとも指摘している。(c)AFP