【9月5日 AFP】ベルギーの首都ブリュッセル(Brussels)では今後、街中での言葉遣いに注意する必要がありそうだ――市当局がこのたび、街頭での侮辱的な言動に対して最大250ユーロ(約2万5000円)の罰金を科すと決定したからだ。

 フレディ・シールマンス(Freddy Thielemans)市長(ワロン系社会党)は4日、「今後、人種差別的または同性愛嫌悪的な言動など、いかなる形での侮辱も罰則の対象となる」との声明を市当局者を通じて発表した。

 欧州連合(EU)など多くの国際機関が所在するブリュッセルは、家族連れに優しく教養にあふれる都市として知られている。だがシールマンス市長は今回、大都市には付き物である「不快な言動」の根絶を目指すことを決めた。

 市当局と司法当局は、侮辱的言動のほか、軽窃盗、傷害が伴わない乱暴な行為に対し、75ユーロ(約7400円)以上250ユーロ以下の罰金を科すことで合意した。

 市長側の発表によれば、これまで裁判所ではこういった案件を審理する余裕がなく、結果として警察官の多くも同様の案件で取り締まることには消極的だった。

 侮辱的言動の問題は、ベルギー人映画監督のソフィー・ペータース(Sofie Peeters)氏が最近製作した映画により注目されるようになった。ブリュッセルの街頭でひそかに撮影された映像のなかには、日常的に交わされる侮辱的な言動や口論の現場が捉えられていた。(c)AFP