【8月20日 AFP】豪ラジオ局3AWの19日の番組で、内部告発サイト「ウィキリークス(WikiLeaks)」の創設者、ジュリアン・アサンジ(Julian Assange)容疑者の母親に向かってナチス・ドイツ(Nazi)のスローガン「ジークハイル!ジークハイル!ジークハイル!」と叫んだ番組ホストが、4週間の謹慎処分となった。

 日曜朝のラジオ番組には、ジュリアン・アサンジ容疑者の母親、クリスティン・アサンジ(Christine Assange)さんが電話インタビューで出演する予定だった。しかし、クリスティンさんは、番組ホストのジョンマイケル・ハウスン(John-Michael Howson)氏に、「あなたの態度が不作法なのでインタビューはしません」と述べ、その場でキャンセルした。

 ハウスン氏はこれに対し、生放送中に「ジークハイル!ジークハイル!ジークハイル!」とナチス・ドイツのスローガンを絶叫。クリスティンさんは電話を切った。

 ハウスン氏の言動について、3AWのゼネラルマネージャー、シェーン・ヒーリー(Shane Healy)氏は「これは絶対に許されない態度であり、決して容認しないことを本人にはっきりと伝えた」と発表した。

 ハウスン氏は19日の放送中、クリスティンの取材拒否について、考え得る中で最も大がかりな検閲を行ったナチス政権になぞらえたのだと説明した。だが翌20日には一転して、「ゲストやその他の人びとがナチスと価値観を共有していたり、自由な言論を管理しようとしていたことを示唆する意図はなかった」と声明を発表、謝罪した。

 ジュリアン・アサンジ容疑者は、6月以降、英国のエクアドル大使館に滞在し、性犯罪容疑でスウェーデンに移送されることを阻止するため、エクアドルへの亡命を求めていた。アサンジ容疑者は、自分への容疑が政治的動機に基づいており、最終的に自分の身柄が米国に移送されることになると主張している。(c)AFP