【7月13日 AFP】事故で両手両足を失ったフランス人男性、フィリップ・クロワゾン(Philippe Croizon)さんが12日、欧州とアフリカを隔てるジブラルタル海峡(Strait of Gibraltar)を泳いで横断することに成功した。クロワゾンさんは世界5大陸間を泳いで渡る偉業に挑戦中で、今回はスペイン南部タリファ(Tarifa)からモロッコ北部タンジェ(Tangiers)までの14キロメートルを5時間20分で泳ぎきった。

 クロワゾンさんは1994年、屋根上のテレビアンテナを取り外そうとした際に感電事故に遭い、四肢の切断を余儀なくされた。障害のある人たちが持つ力を示しつつ平和や連帯といったメッセージを発信したいとして、5月にパプアニューギニア(オセアニア)・インドネシア(アジア)間を泳いだのを皮切りに、6月にはエジプトからヨルダンまでアフリカ・アジア間に横たわる紅海を泳ぎきった。

 8月には、ベーリング海峡に浮かぶロシア・ビッグダイオミード島(Big Diomede、露名ラトマノフ島)と米国・リトルダイオミード島(Little Diomede)間を横断する予定だ。

 フィン付きの義肢を用いるクロワゾンさんの挑戦には、いつもフランスの長距離水泳選手アルノー・シャセリー(Arnaud Chassery)さんが付き添っている。(c)AFP