【6月25日 AFP】公の場における女性のスポーツ参加を禁止しているサウジアラビアが、女性選手の五輪出場を初めて許可した。ロンドン(London)のサウジアラビア大使館が24日発表した。

 BBC(英国放送協会)によれば、サウジアラビアの五輪委員会が「出場資格のある女性選手の参加について監督する」と大使館は発表している。

 超保守的なイスラム教国のサウジアラビアでは、女性がスポーツに参加することは非常に繊細な問題である。女性らは自動車の運転も禁じられており、2009年と2010年には民営の女性専用ジムが関係当局により閉鎖されている。

 今夏、7月27日に開幕するロンドン五輪に出場するサウジアラビアの女性選手は、馬術競技のダルマ・マルハス(Dalma Malhas)選手のみとなる見通し。米国生まれのマルハス選手は、2010年シンガポールで開催されたユース五輪に同国の指名を受けずに出場し、銅メダルを獲得している。

 BBCによれば、女性選手への五輪出場許可はサウジアラビアのアブドラ・ビン・アブドルアジズ(King Abdullah bin Abdul Aziz)国王も後押ししていたが、王位後継者だったナエフ・ビン・アブドルアジズ(Nayef bin Abdul Aziz)皇太子が先週死去したことにより発表が遅れたという。(c)AFP