【6月10日 AFP】エリザベス女王(Queen Elizabeth II)即位60年を祝う「ダイヤモンド・ジュビリー(Diamond Jubilee)」の記念行事を終えたばかりの英国で10日、後継者にふさわしい人物のアンケートで、チャールズ皇太子(Prince Charles、63)が息子のウィリアム王子(Prince William)を抜いて首位になった。

 世論調査会社YouGovが英紙サンデー・タイムズ(Sunday Times)のために実施した調査によると、英王位継承者になって欲しい人物として、回答者の44%がチャールズ皇太子の名を挙げた。ウィリアム王子は38%だった。

 2週間前に実施された同じ調査ではウィリアム王子が43%、チャールズ皇太子が38%だったが、今回調査では逆転した。病気治療のために記念行事を欠席したフィリップ殿下(Prince Philip)の代役を見事に務めたチャールズ皇太子が好印象を持たれたとみられる。

■記念行事で人気高めたチャールズ皇太子

 バッキンガム宮殿(Buckingham Palace)で4日に開かれたダイヤモンド・ジュビリー記念コンサートでは、オープニングでチャールズ皇太子が「みんなで大声を上げれば、病室にまで声が届くかもしれない」と呼び掛け、フィリップ殿下の名を観衆が声を合わせて叫ぶ一幕がみられた。

 ポール・マッカートニー(Paul McCartney)やスティーヴィー・ワンダー(Stevie Wonder)らが参加した同コンサートのフィナーレでは、ステージに上がったチャールズ皇太子が母親のエリザベス女王を称え、「とても特別な人」と表現した。

 また、5日のセントポール寺院(St Pauls Cathedral)でのジュビリー記念礼拝では、不在の父に代わってエリザベス女王の隣に立ち、馬車のパレードではカミラ夫人(Camilla, Duchess of Cornwall)とともに女王の馬車に乗り、沿道に詰めかけた観衆に手を振った。

■フィリップ殿下の人気も上昇、根強い王室人気

 フィリップ殿下は記念行事後の9日に病院を退院した。10日には91歳の誕生日が行われるが、実は、フィリップ殿下の人気もジュビリー記念行事後に上昇した。王室にとってフィリップ殿下は重要だと考える人は記念行事の前は47%だったが、記念行事後には58%に達した。

 英王室に対する国民の支持は厚く、YouGovの調査によれば王室存続を支持する国民は75%に上っている。バッキンガム宮殿によると、ダイヤモンド・ジュビリーを祝うために5日にロンドン(London)中心部に集まった人の数は150万人に上った。(c)AFP

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