【5月24日 AFP】英国のスタントマンが23日、世界で初めてパラシュートを使わないスカイダイビングを成功させた。

 このスタントマンはゲリー・コネリー(Gary Connery)さん(41)。特注の「ウィングスーツ」を着用し、英イングランド南部ヘンリー・オン・テムズ(Henley-on-Thames)の731メートル上空のヘリコプターから約1万8000個の段ボール箱でできた「滑走路」を目指し、決死の覚悟で飛び降りた。

 時速約130キロにも達する速度で急降下したコネリーさんは着陸地点への着地に見事成功したが、見物人はその後の数分間、段ボールの山からコネリーさんが顔を出すのを息を飲んで待つこととなった。

 コネリーさんは、この挑戦は「ものすごく素晴らしい」体験だったと語った。スカイニューズ(Sky News)に「本当に正直に言うと、奇妙な空間にいる気分だ。何が起こったかがまだよく飲み込めていないのだと思う」と話した。「(着地は)とても快適でソフトだった。計算通りに行って嬉しい」

 一方、妻のビビアン(Vivienne)さんは「全て終わって安心している」と短く語った。

 コネリーさんはこの挑戦に先立ち、スイスやイタリアの山や崖からウィングスーツを着て滑空する練習を何週間にもわたって行っていた。

 コネリーさんは英陸軍に入隊し、23歳のときに初めてパラシュートで降下した。ウィングスーツでの飛行技術を高めるためにタカの飛行方法を研究し、これまでにエッフェル塔(Eiffel Tower)や観覧車のロンドンアイ(London Eye)からジャンプしたことがある。また『ハリー・ポッターと秘密の部屋(Harry Potter and the Chamber of Secrets)』や『007/ダイ・アナザー・デイ(Die Another Day)』などの映画にスタントマンとして出演した。

 米国人スカイダイバーのジェブ・コーリス(Jeb Corliss)さんも世界初のパラシュート無しの降下を目指していたが、今年1月に南アフリカのテーブルマウンテン(Table Mountain)で行ったジャンプで重傷を負ったために中止を余儀なくされていた。(c)AFP