【5月17日 AFP】米ワシントンD.C.(Washington D.C.)の警察は16日、シーク教徒の警察官に勤務時のターバン着用を正式に許可したことを発表した。米主要都市の警察としては初の措置。

 同警察は警察官約4000人にシーク教に関する知識を深めるための文化教育を実施した。ターバンを巻き、ひげを生やした初のシーク教徒の警察官は8月に勤務を開始する予定だという。

 シーク教徒の男性は、ターバンを巻き、ひげを生やし、儀式用の剣を携帯することが教義上の決まりになっている。この教えは、ひげをそり、決められた帽子やヘルメットを着用することが求められる欧米諸国でしばしば対立を生んできた。

 米軍当局は2010年から、伝統的教義を遵守するシーク教徒が任務に就くことを例外的に許可している。英国、カナダ、そしてシーク教が生まれたインドなどの国々には既にターバンを巻いたシーク教徒の警察官がいる。

 活動家によると米国内のシーク教徒は約70万人と推定されている。2001年9月11日の同時多発テロ後は、ターバンがイスラム過激主義と関係があると誤解され、嫌がらせや散発的な暴力事件に遭うこともあった。(c)AFP/Shaun Tandon

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