【5月8日 Relaxnews】進む列車の速度を落として、流れる景観をもっとじっくりと眺めたいと思ったことはないだろうか? ニュージーランドで始まった新たなプログラムは、まさにそれを実現するものだ。

 昨年末に始まったばかりの「レールクルージング(Railcruising)」。この新しいコンセプトは、ニュージーランドのロトルア(Rotorua)にある景観保護区の山あいを走る廃止路線を、観光客に探索ルートとして提供している。

 線路の上を走る車両は、鉄道列車ではなく、自走式のハイブリッド車。定員は4人だ。

 車両は前後に250メートルほどの間隔を空けながら20キロメートルの森林と農地を2時間かけて進む。終点の駅で折り返した後、今度は始点まで戻る。

 レールクルージング社の共同創設者、ニール・オパット(Neil Oppatt)氏はRelaxnewsの取材に、開始から4か月間の反応は好評で、順路を倍増してロトルアまで線路を進む拡張計画が予定されていると語った。投資家らも、ニュージーランドの別の地域への拡大に関心を示している。

 このアイデアは多くの廃止路線がある欧州でこそ、より大きな注目を集める可能性がある。

 英国では、4000マイル(約6400キロメートル)以上の路線が1960年代から70年代にかけて廃止された。その多くは、今もなお撤去されず、草に覆われている。

 フランスにも多くの廃止路線があるが、フランスではすでにベロレール(Velorail)と呼ばれるシステムが観光客に提供され始めている。ベロレールは貨車と自転車を組み合わせた仕組みで、旅行者は自分の望むペースで線路の上をペダルをこいで走ることが可能だ。このコンセプトは、英ウェールズ(Wales)でも試験中で、今夏には営業が始まる予定だ。(c)Relaxnews/AFPBB News