【4月27日 AFP】ソーシャルネットワークサービス(SNS)のフェイスブック(Facebook)上で魅力的な友人を持つと自分の人気が高まり、特に女性の場合にはその傾向が強まるという研究結果が発表された。

 AFPの取材に応じたオランダ・トウェンテ大学(University of Twente)のピエト・コマース(Piet Kommers)氏は、今回の発見は友人に関するわれわれの意思決定に繁殖適応度が影響することを示すものだと述べた。「人は非常に健康的で、幸せそうで、性的な意味での繁殖力がありそうに見える人物に魅力を感じる。これは進化の法則として認められていることだ。中でも健康という要素は優位にあり、それを抑制するのは難しい」

 研究チームはフェイスブック上に、実験前評価で外見的魅力が「普通」と判断された男女各1人の写真を使って実験用プロフィールを2つずつ作成した。そして各プロフィールに友人として2人(男女各1人)の写真を付けたが、その際、一方のプロフィールには「魅力的な」男女の、もう一方には「魅力的でない」男女の写真を選んだ。

 プロフィールの内容は、友人の写真以外は全く同じで、住んでいる場所や誕生日、興味や好きな映画、音楽、TV番組などを掲載した。無作為に抽出した21~31歳の学生74人にこのプロフィールを見せ、プロフィールの人物の「社会的誘引度」について評価した。

 具体的には学生らに「この人物と友達になれそうか」、「この人物と一緒にいると楽しそうか」といった質問をした。その結果、同一人物のプロフィールでも「魅力的な」友人を持っているほうを選ぶ人が20%も多いという結果が出た。

 論文は「フェイスブックの『友達』の外見は、プロフィールの掲載人物本人に対する認識に現実の影響を与えている。具体的に言うと、自分がフェイスブック上に持っている友人の魅力度が直接、自分自身の社会的誘引度に好影響を与える」と述べている。フェイスブック上で外見の美しい友人を持つことは、女性ユーザーの人気に特に影響があることもこの研究で示された。

 また論文は逆も真なりだと指摘している。SNS上に魅力的でない画像を掲載すると、それを掲載した個人ユーザーや企業などのイメージを損なう恐れがあると、研究チームは警告している。

 この研究結果は23日、インターネット上のコミュニティに関する研究の専門誌「International Journal of Web Based Communities」に掲載された。(c)AFP