【4月26日 AFP】近いうちに「手洗い」が、国連教育科学文化機関(ユネスコ、United Nations Educational, Scientific and Cultural OrganizationUNESCO)によって保護されるようになるかもしれない。

 オーストリアのザルツブルク(Salzburg)近くにあるベネディクト会のGut Aich修道院は24日、歓迎のために行う手洗いの儀式について、ユネスコの無形文化遺産登録への申請を行ったと発表した。

 この儀式は修道院に着いた訪問者に修道士が行うもの。両者の距離を縮め、文化や宗教を問わず理解されうる行為だと、ヨハネス・パウシュ(Johannes Pausch)院長は記者会見で説明した。

「人々との出会いが別の次元のものになる。この儀式で訪問者は『私は歓迎されている』と感じることができる」(パウシュ院長)

 手洗いの伝統はベネディクト会の中でも失われかけており、Gut Aich修道院は2004年の設立以来、その保持に努めてきた。

 パウシュ院長は、うわべだけの関係と多忙さが増す現代において、個人間の接触と交流を生み出すこの儀式は人々に受け入れられるだろうと話している。

 Gut Aich修道院は、ヨーロッパの多様な文化を結びつけることを目的とした「ヨーロッパ修道院」を自称している。(c)AFP

【参考】Gut Aich修道院のサイト(ドイツ語)