【4月24日 AFP】どこかに行ったサッカーボールを捜し出すのは10代の少年にはよくあることだが、日本の1人の高校生が東日本大震災の津波で米アラスカ(Alaska)州まで流された自分のサッカーボールを再び手にしようとしている。

 村上岬(Misaki Murakami)さん(16)は、前年3月の津波で岩手県陸前高田(Rikuzentakata)市の自宅を家財もろとも流されてしまった。しかし、ボールに書かれていた寄せ書きのおかげで、アラスカ湾(Gulf of Alaska)の浜辺でこのボールを見つけた人が持ち主を特定することができた。

 米海洋大気局(National Oceanic and Atmospheric AdministrationNOAA)によるとこのボールはアラスカ州ミドルトン島(Middleton Island)の海岸で見つかった。日本のメディアはボールの発見者をデービッド・バクスター(David Baxter)さん(51)と報じている。

 米海洋大気局は、「ボールに書かれていた学校名を発見者の日本人の妻が翻訳できたため、学校が判明した。これは2011年3月の津波で日本から流されたものの持ち主が特定され、その元に返される最初の例の1つになるかもしれない」としている。

 このニュースは日本国内で大きく取り上げられた。バクスターさんが日本語が書き込まれたバレーボールも見つけていたことから、日本のメディアはこのボールの持ち主も追った。
 
 23日午後までに、このバレーボールの持ち主は以前岩手県に住んでいた佐藤詩織(Shiori Sato)さん(19)だと分かった。佐藤さんはボールが見つかったことに感謝していると話している。(c)AFP