【4月23日 Relaxnews】民主化が進むミャンマーにアジアの次なる航空ブームが訪れるかもしれないと、業界筋の間で注目されている。

 今月投票が行われた連邦議会補欠選挙で下院議員に初当選した同国の民主化運動の指導者アウン・サン・スー・チー(Aug San Suu Kyi)氏は前週、約30年ぶりとなる外国訪問の意向を明らかにしたが、同じ週にアジア太平洋航空センター(Centre for Asia Pacific AviationCAPA)は、ミャンマーの航空業界が「大きな成長期」を迎えそうだという予測を発表した。

 研究者らによれば、ミャンマーの航空サービスは、アジア全体の中でおそらく最も発達が遅れている。4800万人の人口に対し、利用可能な座席数は国内・国際便合わせて1週当たりわずか4万100席。人口6900万人のタイが同110万席であることを考えると、ミャンマーの航空業界に大きな成長の余地があることが分かる。

 CAPAによると、現在のところミャンマー最大の空港があるヤンゴン(Yangon)では、過去3年間で国際線の旅客数が2倍近くに増えている。さらに多くの航空会社が乗り入れを予定しており、今後も国際線旅客数の急増が見込まれる。

 長距離国際線を運航する航空会社もミャンマーへのサービスを拡充しようとしている。カタール航空(Qatar Airways)は主要航空会社の先陣を切って、同社として約4年ぶりとなるドーハ(Doha)-ヤンゴン路線の運航再開を10月に予定している他、独コンドル航空(Condor)や全日本空輸(All Nippon AirwaysANA)も参入するとみられている。

 一方でCAPAは、「ミャンマーの成長機会には興奮を覚えるが、ミャンマーの航空業界の潜在力が完全に花開くまでには時間がかかるだろう。新しい空港ターミナルやホテルは一夜にして建つものではない。ミャンマーは、アジアで一番の人気観光地になれる要素を持っているが、それはインフラなしには達成できない」と、楽観的な見方にくぎを刺した。(c)Relaxnews/AFPBB News