【4月9日 Relaxnews】南仏コート・ダジュールといえば「フレンチリビエラ(French Riviera)」とも称される風光明媚なリゾート海岸だ。映画の都カンヌ(Cannes)もこの海岸沿いにある。

 その中国版とも言うべき「中国のリビエラ」を自負する海南島(Hainan Island)の三亜(Sanya)で前週末、ラグジュアリーライフスタイルの展示会「海南ランデブー(Hainan Rendez-vous)」が開催された。

 果たして三亜とリビエラには、どれほどの共通点があるのか。ふたつのリゾートを比べてみよう。

■アクセス

 フレンチ・リビエラにあるカンヌへは、ほとんどの人がニース(Nice)を経由するが、マルセイユ(Marseilles)の空港から車を走らせてのドライブも爽やか。いずれにせよ、直接のアクセスは簡単ではない。

 一方、三亜では国際空港が現在も拡張が進む。香港航空(Hong Kong Airlines)や大韓航空(Korean Air)など多数の航空会社が乗り入れており、直接のアクセスが可能。

■気候

 熱帯モンスーン気候に属する海南島は、年間の最低気温は16度で雨期がある。地中海気候のカンヌよりも暑く湿度も高い。

 一方、カンヌでは温暖で爽やかな夏が長期間楽しめる。その代わりに冬は海南島よりも冷え込む。

■ショッピング
 
 ブランド品などラグジュアリー商品のショッピングにかけては、両者とも強いアピールポイントがある。

 三亜には大型高級ショッピングモールがあり、リゾート客の買い物心をくすぐりそうなアイテムは、ほとんど全て一か所で手に入る。華やかさで言えば、カンヌのメナディエ(Meynadier)通りには及ばないかもしれない。だが、海南島に施行されている免税措置のおかげで、訪れる人々の財布のひもも緩みそうだ。

■グルメ

 高級フレンチレストランには事欠かないカンヌ。街には高級レストラン格付けガイド「ミシュラン・ガイド(Michelin Guide)」の2つ星レストラン2軒、1つ星レストラン1軒を始め、多数の超一流レストランが観光客を待ち受ける。

 カンヌのように華麗なグルメライフは、三亜では望めない。だが近年はマンダリンオリエンタル(Mandarin Oriental)などのホテルがこぞって世界の一流シェフたちを招いており、海南島のグルメライフを国際レベルに引き上げつつある。

■ホテル

 三亜では、次々とラグジュアリー・ホテルの建設が進む。すでにリッツ・カールトン(Ritz-Carlton)、バンヤンツリー(Banyan Tree)、マンダリンオリエンタルといった5つ星ホテルが13軒オープンしており、高級ホテルの数は、まもなくカンヌを抜きそう。

 一方のカンヌは、街自体が小さいため、ホテル開発はさほど活発ではない。5つ星ホテルは、マジェスティックバリエール (Majestic Barriere)、インターコンチネンタル(InterContinental)、JWマリオット(JW Marriott)、ホテル・マルティネス(Hotel Martinez)などの6軒。

■ビーチ

 カンヌでは、地中海沿いを走るラ・クロワゼット通り(Promenade de la Croisette)が、ビーチや欧州の大富豪たちが所有する豪華ヨットが並ぶハーバーがある海側と、ホテルやレストランが並ぶ市街地とを隔てる。

 海南島には、三日月形の浜辺が7.5キロにわたって広がる亜龍湾ビーチがある。亜龍湾は透き通った海とサンゴ礁の絶景が楽しめ、沖には小島のリゾートが点々と浮かぶ。

■カルチャーライフ

 カルチャーの面で軍配が上がるのは、間違いなくカンヌだ。カンヌ映画祭(Cannes Film Festival)を初め有数の国際イベントの開催地であり、博物館やシアターも充実。一般公開されている高級邸宅を、じっくりと味わうこともできる。

■数字

 中国で最も人気のある海南島を訪れた観光客の数は2011年、1000万人を超えた。大半は中国国内からの旅行者で、外国人観光客は約50万人。このうち約10万人がロシア人となっている。

 中国の膨大な人口を考慮すれば、カンヌも比較的、健闘している。カンヌには毎年、200万人が訪れている。

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