【4月6日 Relaxnews】JR西日本(JR West)、JR四国(JR Shikoku)、JR九州(JR Kyushu)は、3社の管内で新幹線や特急などが5日間乗り放題になる外国人旅行客向けの共通切符を10日から販売する。東日本大震災や東京電力(TEPCO)福島第1原子力発電所の事故を受けて低迷する海外からの観光客を呼び戻すのが狙いだ。

 JR四国とJR九州の全路線とJR西日本の山陽新幹線とその沿線の列車に、有効期間中であれば何度でも乗車できる。切符は3社の主要駅で購入可能で価格は2万5000円。購入できるのは外国のパスポートを持つ短期滞在者に限られる。

 世界規模の観光キャンペーンが功を奏し、2010年に「日出ずる国」日本を訪れた外国人観光客は861万人に上った。この結果を受け、政府観光当局は2011年の外国人旅行客の目標を1000万人に設定していた。

 2011年1~2月は香港(Hong Kong)や中国本土から多数の観光客が訪れたこともあり順調に推移したが、3月11日の東日本大震災と原発事故を期に状況は一変。結果的に2011年に海外から日本を訪れた観光客は622万人にとどまった。

 政府だけでなく民間も観光に弾みをつけようと独自のキャンペーンを展開している。全日本空輸(All Nippon AirwaysANA)は、ウェブサイト「Is Japan Cool?」を立ち上げ、少し違った角度から国内の観光情報を提供している。あえて震災被災地へのツアーを提供する業者も登場した。

 観光庁(Japan Tourism Agency)は2011年10月、外国人1万人を対象に無料で往復航空券を配布する計画を発表したが、2012年度予算案に費用が計上されなかったとして実施を見送った。(c)Relaxnews/AFPBB News

【参考】
JR西日本のプレスリリース

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