【3月27日 Relaxnews】理想の駐車場はどこに――?駐車場事情について考察した書籍、『Rethinking a Lot: The Design and Culture of Parking』(駐車場の再考――駐車場の設計と文化)が今月、出版された。

 著者のエラン・ベン・ジョセフ(Earn Ben-Joseph)マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of TechnologyMIT)教授によると、大都市の中には面積の実に3分の1が駐車場で占められているところもあり、米国に存在する駐車場の総面積は概算でプエルトリコ(Puerto Rico)に匹敵するという。

 同書は、必要以上の駐車場がさまざまな環境問題を引き起こすと指摘している。アルファルト舗装された駐車場は周辺の気温を上昇させる上、雨水などが短時間で流れてしまうため、自然な環境であれば植物が吸収するはずの汚染物質がそのまま環境に出てしまうという。

 同教授は、よりよい駐車場作りのためには設計を見直す必要があると主張している。例えばイタリア・トリノ(Turin)には植樹して木陰を作った駐車場があるし、米フロリダ(Florida)州マイアミ(Miami)には排水と緑化のためにアスファルト舗装のところどころに溝を掘って草を生やした駐車場がある。また駐車場はスペースが開けているため、ソーラーパネルや風力発電機などの設置も考えられるという。

 現在の6億台からさらに車両が増え続け、世界で駐車スペースを探すのに平均20分かかっているというデータ(米IBM調べ)もある中、今後どれだけの駐車場が必要になるかは未知数だ。(c)Relaxnews/AFPBB News